ソーシャルビジネスケース集

社会起業家の成長を支える
新たなエコシステムを構築する

株式会社うむさんラボ

図1 うむさんラボのビジョンを語る比屋根隆代表

株式会社うむさんラボ1(以降、うむさんラボと記載)は、「自然とひと、人とひととがありのままの姿で、ともにあることができる社会」を目指し、社会をより豊かにする事業に対するインパクト投資ファンドの運用や起業家支援、事業開発などを行う企業である。これらの活動を通して、豊かさを分かち合える経済循環を生み出すことで、これからの社会の在り方を沖縄から世界に発信することを目指している。
社名に用いられている「うむさん」とは、楽しい、心地良いなどの明るい感情を表す沖縄の言葉である。「うむ(生む)」と「さん(産)」には、多くの勇気や希望を生みだすという意味も込められている。人と人とのつながりを大切に助け合い、前向きに生きるという沖縄古来の考え方にも通じる。
うむさんラボは設立以来、沖縄県の地域課題解決を目指す人に対して、教育・人材育成プログラムや経営支援、コミュニティづくりなどを通して、社会起業家の育成や伴走支援に努めてきた。また、自社においても、企業のバックオフィス業務全般をサポートするアウトソーシングサービスなどを通して、社会的マイノリティ当事者の雇用促進に貢献している。
また、2022年には、休眠預金等活用法に基づく資金分配団体である一般財団法人社会変革推進財団(以降、SIIFと記載)が実施する「地域インパクトファンド設立・運営支援事業2」の実行団体3に採択された。沖縄県における地域課題解決型のファンド設立を通して、社会起業家を支える新たなエコシステムの構築を目指している。

1 代表者:比屋根隆、本社:沖縄県うるま市
2 休眠預金等活用制度に基づく助成事業。指定活用団体である一般財団法人日本民間公益活動連携機構より、一般財団法人社会変革推進財団が資金分配団体に採択され、実施している。助成事業を通して、地域金融機関とエクイティ投資主体が協働する機会を創出し、お互いの知見が交換されることで、地域社会・経済の活性化を支える金融エコシステムの進化を目指す。出典:一般財団法人社会変革推進財団ウェブサイト「公募・申請等」(https://www.siif.or.jp/application/kyumin/)2023年11月6日参照
3 資金配分団体から採択を受けて、活動を実施する法人や民間団体等を指す。

このケースは、株式会社ケース・ラーニングが、九州地域ソーシャルビジネス・コンソーシアムの監修のもと作成した。ケースの記述は、経営管理上の問題点を例示するものではない。本ケースの作成にあたっては、株式会社うむさんラボの比屋根隆代表取締役はじめ、社内外の方々にご協力いただいたことに感謝したい。



 
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