ソーシャルビジネスケース集

廃棄化粧品を画材に生まれ変わらせる
プラスコスメプロジェクト

Feel Good Social Business Company株式会社

図1 不要な化粧品から生まれた画材を用いて
子供たちが描いたアート

プラスコスメプロジェクトは、廃棄される化粧品を回収し、画材として生まれ変わらせることを通して、「化粧品業界にプラス一歩先の価値を与える」ことを目的に、Feel Good Social Business Company株式会社1 (以降、FGSB Companyと記載)が取り組む社会課題解決型の事業である。捨てられる化粧品の現状や、再利用する楽しさを伝えることで、化粧品に対する環境意識を変え、持続可能な生産消費形態をつくることを目指している。
同事業は、2012年に九州大学大学院の4名の学生が中心となって任意団体をつくり、その団体が社会貢献活動として始めたものである。その後、2021年に、プロジェクト発起人の坂口翠さんがFGSB Companyを設立し、現在は同社の事業として展開している。同社は「社会課題の解決を目指したモノやデザインを創造する」ことを理念に掲げ、不要になった化粧品の中身を再利用したRE COSMEクレヨン®の製作・販売およびOEM2供給、環境教育ワークショップ・講座の企画・運営等に取り組んでいる。2023年4月現在、坂口さんが代表取締役として会社の経営を担い、2名のスタッフに商品の製作を業務委託する形態で事業を運営している。
FGSB Companyが展開するRE COSMEクレヨン®は、企業や団体等に対するOEM製造をはじめ、化粧品業界が抱える社会課題の解決を支える事業として、成長している。同事業の売上は、2021年度は100万円、2022年度には480万円となっている。

1 代表者:坂口翠、社名:Feel Good Social Business Company株式会社、本社:福岡県福岡市中央区
2 OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、委託を受けたブランドで製品を製造することを指す。

このケースは、株式会社ケース・ラーニングが、九州地域ソーシャルビジネス・コンソーシアムの監修のもと作成した。ケースの記述は、経営管理上の問題点を例示するのもではない。本ケースの作成にあたっては、Feel Good Social Business Company 株式会社の坂口翠代表取締役をはじめ、社内外の関係者の方々にご協力いただいたことに感謝したい。