ソーシャルビジネスケース集

「捨てるから創る」へ
循環型社会の構築を目指す

株式会社ホンジョー

図1 医療機器のリサイクルについて説明する森内さん

 

株式会社ホンジョー1(以降、ホンジョーと記載)は、廃棄物の収集運搬、選別や加工による再生などの環境事業、医療系資産管理、ITを活用した資産の情報管理サービスなどを提供する企業である。障がい者福祉施設に回収した資源の分解・ 分別を委託するなど、事業を通して社会的弱者の雇用創出にも貢献している。
同社は現在、福岡県内を中心に病院や大学などと連携しながら、医療機器のリサイクルを推進するクラウド型システム2の構築を目指している。一般的に、約10年間使用された医療機器は、医療機器メーカーのサポートが終了するタイミングで、新しい機器と交換されるときに廃棄処分される。しかし、なかにはまだ有効活用できる状態で捨てられる機器や、機器全体や部品などが資源として活用されることなく廃棄される場合もある。ホンジョーは、環境事業で培った経験や知見をもとに、医療機器の再利用や資源循環を促す仕組みを確立することで、廃棄コストの削減や環境負荷の軽減、社会的弱者の雇用創出などに寄与することを目指している。
同社は、2020年度休眠預金活用事業の資金分配団体である九州地域ソーシャルビジネス・コンソーシアム(公益財団法人九州経済調査協会/一般社団法人ユヌス・ジャパン)が実施する「ソーシャルビジネス循環モデル地域形成事業3」の実行団体4に採択されている。

1 代表者:吉田晴仁 本社:福岡県福岡市東区
2 ユーザーが物理的にインフラやソフトウェアを持たなくても、インターネットを介して利用できる形態のシステム。
3 九州地域(九州・沖縄・山口)を対象とした、休眠預金等活用制度に基づく助成事業。指定活用団体である一般財団法人日本民間公益活動連携機構より、公益財団法人九州経済調査協会と一般社団法人ユヌス・ジャパンが資金分配団体に採択され、実施している。助成事業を通して、ソーシャルビジネス先進地域の創出とネットワーク化を目指している。出典:公益財団法人九州経済調査協会ウェブサイト「休眠預金等活用制度に基づく助成事業」(https://www.kerc.or.jp/ksbc/) 2023年12月11日参照
4 資金配分団体から採択を受けて、活動を実施する法人や民間団体等を指す。

このケースは、株式会社ケース・ラーニングが、九州地域ソーシャルビジネス・コンソーシアムの監修のもと作成した。ケースの記述は、経営管理上の問題点を例示するものではない。本ケースの作成にあたっては、株式会社ホンジョーの 森内安信企画部長をはじめ、社内外の方々にご協力いただいたことに感謝したい。



 
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